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日本エイジマネージメント医療研究機構 抗加齢医療の健全な普及に向けて

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ハッピーエイジャー対談

日本エイジマネージメント医療研究機構理事長 田中舘 紳喬

日本エイジマネージメント医療研究機構の田中舘理事長が、毎回、各界で活躍する素敵な方々をお招きしてエイジマネージメントをテーマに語り合う「ハッピーエイジング対談」。抗加齢医療に携わる医師や専門家、エイジマネージメント実践者としてたくさんの人々から支持される各界の著名人と、様々な切り口からエイジマネージメントについて意見を交わしていきます。

第8回(後編)“予防医療新時代”と免疫療法の可能性

横浜クリニック 院長

青木 晃

今回は当機構(略称:age)の理事である青木晃先生に、ご専門であるアンチエイジング医療や予防医療について、普及のためにはどのようなアプローチが有効なのか、全く新しい視点からの予防医療のインフラ作りを紹介していただきます。 それに関連して第四のがん治療として注目されている、免疫療法についてお話を伺います。 今、国民の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる時代です。 がん治療にはどのような選択肢があるのか、メンタルは身体にどのような影響を及ぼすのかなど、がんに対する正しい情報を伝えていただきます。(聞き手:ageスタッフ)
中編はこちら
横浜クリニック 院長 青木 晃

免疫療法とは

age

少し調べてみたのですが、免疫療法にもいろいろな種類がありますよね。どの免疫療法がいいかというのは、我々一般人では判断ができません。

青木

そうですね。今はインターネットで検索できますから、情報が多すぎてかえって迷ってしまうこともありますね。ただ、本質的にそれぞれの免疫療法の違いというのは、どの細胞を選んで増やすか、どの段階から増やすか、ということで違ってきます。ワクチンの考え方ですと、その人のがん細胞の顔つきが分かった上で、それに対してピンポイントで攻撃できる免疫を活性化しようということです。ですから治療としては、ワクチンの方がよりピンポイントに対象を絞って攻撃していることになります。

age

つまり、特異的ということですか。

青木

そういうことです。すごく特異的になっているんです。ある種のリンパ球を増やすこと…例えばうちのクリニックでやっているNK細胞を増やすということは、がんに対する攻撃能力が高いリンパ球を増やすという点では、割と特異的といえますね。全体のリンパ球Tセルを増やそうとすると少し攻撃パワーが落ちてきます。

age

全体的に免疫力は上がるけれども、がんに対してのピンポイント的なパワーが落ちるということですね。どこかに載っていましたが、その方法ですと闇夜で鉄砲を撃つように非常に効率が悪くなると。

青木

そういうことです。樹状細胞などは比較的ピンポイントに絞れます。樹状細胞療法やがんワクチン療法なども、がんの顔つきがわかっていますから。樹上細胞そのものも、ピンポイントで攻撃部隊をしっかり増やせるという性質があります。ただ、それらを使った免疫療法としては、多少複雑な手順が必要になってきます。何度も採血したり、がんそのものの細胞がないとできないというように、適応する患者さんの範囲が狭まってきます。ですからまだ何がよくて何が悪いという細かいところまでいっていなくて、混沌とした免疫療法が存在するということは確かです。でも我々はNK細胞を活性化する免疫療法を行って、それなりに手ごたえを感じていますので、ここをしっかりやっていこうという考えで治療にあたっています。

age

何といっても、免疫療法は副作用がないというのがいいですね。

青木

そうですね。そして確かに患者さんのQOLが上がっていくのが、臨床の実感としてあるということです。よく患者さんに言うのですが「免疫療法は色々ありますが、例えば西洋料理の中にはイタリアンもあればフレンチもあります。イタリアンはオリーブオイルやパスタを多く使いますが、フレンチはバターやパンを使います。でも食べてお腹に入ってしまえば同じ西洋料理で、結果的には栄養になります。」というような説明をしていますね、イメージの捉え方としては。

age

では、実際にがん患者の方が免疫療法を受けようと思ったとき、何を基準に選べばよいのでしょうか。がんによって違うということですか。

青木

はい。ステージにもよりますし、手術して検体(検査の材料)があるかどうかにもよります。

age

そうですね。では、主治医の先生に、どの免疫療法がいいか相談できるものなのでしょうか。

青木

免疫療法自体がその現場に浸透していない限り、まず説明をしてくれないですね。例えば保険診療機関で、免疫療法に興味があって勉強している先生も中にはいるでしょうが、自分たちの手持ち札は手術、抗がん剤、放射線の標準治療しかないのに、「実は免疫療法がいいですよ。手術もしますが免疫療法も平行してやった方がいいですよ」と言うと「じゃ、先生やって下さい」ということになりますよね。「でもここではできません」となる。そこがまさに保険診療の限界なんですよ。少なくともがんの患者さんにおいては、混合診療を認めてしまえばいいんです。「がん対策基本法」というのが平成18年にできましたよね。その中にも「がん患者さんの治療法の選択肢を狭めてはいけない」ということが明言化されているんです。つまり、自由診療も含めて選択肢の幅を広げていいことになります。つい最近までは、がんの治療はあくまでも標準治療であって「免疫療法をやるなら他の病院へ移って下さい」と言われることが当たり前だったわけです。最近はそこまで乱暴な先生はいなくなりましたけれど。

age

伺っていると、青木先生がやってこられたアンチエイジング医学と共通していますね。まだまだ免疫療法に懐疑的な医師もいらっしゃるわけですね。

青木

そうですね。医学界の体質として、新しいものとか、はっきりしたエビデンスが出ていないものは頭から否定するようなところがありますね。

age

そんな中で、青木先生は一生懸命奮闘されていらっしゃるんですね。

青木

わたしは異端児ですから(笑)。

age

でも、そういう方がいないと新しい可能性の道が開かれないですね。

青木

そうなんですよね。人と同じことをやっていても進歩がないですし。我々が特に重視しているのは、免疫力って心でも上がるという点がすごくポイントなんですよ。

age

確かに落語や漫才を聞くと免疫力が上がるといいます。

青木

そう。笑いは免疫力を上げますね。義父も大変ポジティブシンキングな人でした。がんだと自分でわかっているんですが「なんだかここのクリニックは髪の毛がない患者ばっかりだな。がん患者ばっかりだ。でも俺はがんじゃないんだよなあ、晃くん」なんて言うような人だったんですよ(笑)。そんな究極のポジティブシンカーみたいな人でした。彼が県会議員をしていたとき、小渕さんを総理大臣にするため、それこそ全国を走り回っていた時期がありました。その後は小渕優子さんを崇拝していました(笑)。ですから闘病中に小渕優子さんがお見舞いにいらしたときは、急に元気になっちゃったんですよ。

age

ご覧になっていてはっきりわかるわけですね。その時は免疫力も絶対上がっていたでしょうね(笑)。

青木

はい。見ていてわかりますよ。まず心を元気にしてあげないとダメですね。ですから我々のクリニックではそういうケアをすごく取り入れています。多くの患者さんは抗がん剤でダメージを受けた状態でいらっしゃいますから、じっくり話を聞いてあげるだけでも喜ばれますよね。それもある意味免疫療法なんですよ。普通の医師ができないことを我々が補っている、という気概を持ってやっています。それは医療の原点でもありますからね。

age

では視点を変えて、健康体の人が免疫療法を受けるとどうなるのでしょう。より一層元気になれるんでしょうか。

青木

健康な人が活性化リンパ球療法を受けると、恐らくアンチエイジング的な効果があるだろうと考えられてきています。私が以前手伝っていた免疫クリニックでこんなケースがありました。経済的に余裕がある一家のお父様ががんで、免疫療法を受けていました。ある日奥様とお嬢さんが、「お父さんの肌がツヤツヤになって、シミだらけだったのがきれいになってきたから、私たちもこれをやってみたい。」とおっしゃって実際受けていたんです。確かに身体が温まる感じがするとか、続けていると皮膚の色ツヤが良くなるなどの効果が出てきているんですね。ですから抗加齢医学の雑誌にも、健康体にTリンパ球療法をやった場合にはアンチエイジングになるのではないかということを、免疫の専門家医が書いています。ただ、やはり費用がすごく高額になってしまうので、ある程度のエビデンスがないと受ける人もいませんよね。でも恐らくそういう効果があるだろうと言われています。

ageのひとこと

特にがん患者の方は、科学的な治療と平行して心も癒されるケアが絶対に必要だと思います。免疫療法やその他の代替補完医療も含めて、治療の選択肢があることで患者さんは安心できますが、自由診療ということが大きな壁であることは間違いありません。

免疫力アップは健康の基本

age

今回免疫療法を調べるにあたって、がんについても調べてみたのですが、がんの生命力の凄さというか、大変複雑なしくみで生き延びていることがわかりました。本来生命を維持するためのシステムを利用して、がんも増殖や転移をする。ある意味、生命そのものとも思えます。

青木

結局がんって何かというと、細胞自体が長く生きることによって様々な変異をきたすことです。それはもう生物であれば宿命みたいなものですから。

age

身体の中には60兆個の細胞があって、日々新陳代謝で生まれ変わっています。そのときのミスコピーががん細胞のはじまりと聞きますが。

青木

はい。一日に数千個ほどのミスコピーがあると言われています。それをいわゆる免疫系がちゃんと制御しているわけです。

age

そのためにも常に免疫力は上げておかなくてはいけませんね。もしがんになったとしても、標準治療のほかにNK細胞などの免疫療法があると思うと心強いです。

青木

初期のがん、手術直後、再発防止に対しては、NK細胞療法の効果が得られやすいと思います。ある程度までの大きさのがんであれば、コントロールできている患者さんがいるということです。

age

免疫療法は今後ますます注目されていくということですね。

青木

そう思います。たとえ手術でがんを切除しても、どこかに潜んでいるがん細胞が必ずあるわけですから。それらが悪さをしないようにコントロールするには、攻撃型がん治療だけではできません。そう考えると、何らかの防御型がん治療を平行して行うことは、理にかなっているんじゃないでしょうか。

age

今日伺ってきたことを振り返りますと、当機構が推奨している「生涯健康でいきいきと豊かに暮らす」ために様々な予防医療を取り入れるということは、イコールがんにならないための秘訣でもあるわけですよね。

青木

はい。がん研究振興財団なども「がんを防ぐための12カ条」というのを作っています。中には実行しにくいこともあるでしょうが、少しずつでも意識して健康的な生活に変えていくということを、できるだけ若いうちからやらないといけません。がんという病気は健康寿命を確実に阻害してしまいますからね。

age

アンチエイジング医療、がん免疫療法ともに今後ますます進歩していく分野だと思います。青木先生の今後のご活躍に期待しております。ありがとうございました。

・がん対策基本法http://law.e-gov.go.jp/announce/H18HO098.html

・がんを防ぐための12カ条http://www.fpcr.or.jp/publication/12kajou.html

青木晃

青木晃氏 プロフィール
順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座准教授を経て現在横浜クリニック院長。NPO法人日本エイジマネージメント医療研究機構理事。1961年東京都生まれ。1988年防衛医大卒。内科的アンチエイジング医療を第一線の臨床で実践するアンチエイジング医学の第一人者。アンチエイジングクリニックやアンチエイジングレストランなどのプロデュースも手がけ、アンチエイジングビジネスのスーパーバイザーとしても知られる。TV、ラジオ、雑誌、講演会などのフィールドでも幅広く活躍中。

http://ameblo.jp/draa/

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